ストーリー
20世紀初頭、イタリア。ひとりの男と女が、激しい運命のなかで出逢った。政治活動によって、官憲から追われていた男。女は、男を匿うように抱擁し、唇をゆだねた。そしてその瞬間、女は燃えるような恋に落ちた。
それからしばらくが経ち再会したふたりは、互いを必要とし、愛し合うようになる。男は急速に変わりゆく世界のなかで、祖国を守るべく、より深く政治闘争へと身を投じた。女は、そんな男のために財産を投げ売って男に与え、その活動を支えた。
男の名はムッソリーニ。そして女の名はイーダといった。
第一次大戦が始まった。当初は党の方針にしたがい中立的立場を取っていたムッソリーニだったが、次第に参戦論へと傾く。過激な言動から、やがて党の機関誌「アヴァンティ!(Avanti!)」の編集長という要職を解かれ、ついには社会党からも除名処分となってしまう。これに対しムッソリーニは、イーダからの資金援助をもとに新たな日刊紙「ポポロ・ディタリア(Popolo d'Italia)」を発刊。さらに、独自の政治組織を摸索する。
その一方、イーダの運命はまったく違った方向へと動き始める。ムッソリーニに変わらぬ愛を捧げていた彼女は、やがて妊娠。そして1915年11月11日、長子ベニート・アルビノを出産し、ムッソリーニの認知も受ける。幸福な人生を歩み出すかに見えていたイーダだったが、ムッソリーニには正妻ラケーレがいたのだ……!
政権を奪取し、ドゥーチェ(統帥)としてイタリアに君臨するようになるムッソリーニに、愛人イーダの存在は邪魔なものと映ったのだろうか──。彼女の権利を剥奪するかのように書類を改竄し、あるいは破棄させ、イーダと息子ベニートの存在をなきものにしようと謀り、ついにはイーダを精神病院に送り込む。
だが、イーダはひとり立ち向かった。自らの愛のため。そして息子ベニートを守るため。愛の勝利のために──。
それからしばらくが経ち再会したふたりは、互いを必要とし、愛し合うようになる。男は急速に変わりゆく世界のなかで、祖国を守るべく、より深く政治闘争へと身を投じた。女は、そんな男のために財産を投げ売って男に与え、その活動を支えた。
男の名はムッソリーニ。そして女の名はイーダといった。
第一次大戦が始まった。当初は党の方針にしたがい中立的立場を取っていたムッソリーニだったが、次第に参戦論へと傾く。過激な言動から、やがて党の機関誌「アヴァンティ!(Avanti!)」の編集長という要職を解かれ、ついには社会党からも除名処分となってしまう。これに対しムッソリーニは、イーダからの資金援助をもとに新たな日刊紙「ポポロ・ディタリア(Popolo d'Italia)」を発刊。さらに、独自の政治組織を摸索する。
その一方、イーダの運命はまったく違った方向へと動き始める。ムッソリーニに変わらぬ愛を捧げていた彼女は、やがて妊娠。そして1915年11月11日、長子ベニート・アルビノを出産し、ムッソリーニの認知も受ける。幸福な人生を歩み出すかに見えていたイーダだったが、ムッソリーニには正妻ラケーレがいたのだ……!
政権を奪取し、ドゥーチェ(統帥)としてイタリアに君臨するようになるムッソリーニに、愛人イーダの存在は邪魔なものと映ったのだろうか──。彼女の権利を剥奪するかのように書類を改竄し、あるいは破棄させ、イーダと息子ベニートの存在をなきものにしようと謀り、ついにはイーダを精神病院に送り込む。
だが、イーダはひとり立ち向かった。自らの愛のため。そして息子ベニートを守るため。愛の勝利のために──。